卒業検定の記録【40代後半からの普通免許⑯】
卒業検定の当日の流れ
卒検である。
前回、みきわめで目的地を間違うという大ポカをやらかして散々だったため、
受かる気がしない。
卒検でも何かやらかして、一発アウトになるような予感がする。
若干重たい足取りで、指定された時間に教室に入る。
初めて見かけた同年代
部屋の中には15人くらいの若者がいた。
その中に混じって、約3か月の教習生活で一度も見かけなかった、
同年代らしき女性が座っていた。
今までどこに潜んでたんですか?
と思いつつ、その人の後ろに、なんとなく座る。
同年代というだけで、
急に味方を見つけた気分になるから不思議だ。
会話はしない。
目も合わせない。
だが心の中では、勝手に「仲間」意識が芽生えている。
卒検の説明を受け、組が発表された
(不正防止のため、検定中に相手の後部座席に乗る)。
同年代らしき女性と一緒になった。
教習所の配慮だろうか。
女性と軽く会釈し、頑張りましょうねと言葉を交わす。
検定まで少し会話する時間があった。
44歳だそうだ。
勝った(?)
あちらはギリアラフォー。こちらは熟成前のアラフィフである。
どちらかというと負けてる気がする。
組み分け発表
卒検を担当するのは、ハンドルドロボー指導員だった。
最近よくお世話になっている気がする。
今日はハンドルを取られたら、即アウトである。
気が引き締まる。
女性が先、私が後に運転することになった。
女性、運転が上手い。
既視感のある展開に、嫌な予感がする(危険予測ディスカッション)。
女性の運転は、余裕がある感じだった。
歩行者に道を譲るとき、「どうぞ」と手でジェスチャーしたりしている。
私はたとえ停止中であったとしても、ハンドルから手を放すことはできない。
手汗でじっとりだ。
運転も安定していて、見た感じミスもなかったと思う。
ハンドルドロボーも出番なし。
私はこのとき悟った。
私の運転が下手くそなのは、年齢のせいではなかった。
これまで教習生活の中で、若者の運転しか見る機会がなかった。
だから「みんな若いから、飲み込みが早いな」と、完全に歳のせいにしてきた。
しかしそれは、「自分は中年である」という前提に捕らわれた勘違いだったのだ。
つまり。
単にセンスがないだけだった。
卒業検定開始
さて、私の番だ。
女性と運転を交代する。
ハンドルドロボーの目が光る。
緊張する。
今日だけは、ハンドルを取らせるわけにはいかない。
深呼吸をして、車を発進させる。
「発車の合図出して下さい」
開始1秒で減点。
出落ちすぎる。
ここまでくると、開始直後の減点も自分らしいとすら思える。
(減点をくらった瞬間はそれどころではなかったが)
教習生活を続けているうちに思ったのだが、
ハンドルを握るだけでこんなに「ダサい」の集合体になる人間も、そういないのではないだろうか。
別に普段はスマートだなどと思っていないが、運転席に座った瞬間に急にダサさに磨きがかかる。
ワイパーは、焦ると勝手に動くものだ。
焦る度合いに応じてスピードが速くなる気がする。
なぜなのか。
そしてワイパーは、ウォッシャー液を噴出するまで止まらないものだ。
なぜなのか。
卒業検定の結果
出発時に合図を忘れた以外は、大きなミスはしていなかったと思う。出発時に意味もなくフロントガラスを磨くことは、減点の対象ではない。
運転中、心の中は相変わらず大忙しだったのだが、視界は良好だった。
難しい場面に遭遇しなかったのも運が良かった。
「渡るのか、渡らないのかはっきりしない歩きスマホ」とか
「停車しているけどもうすぐ発車するかもしれないバス」とか
「路駐三連続後の即信号」とか。
ひとつでも当たっていたら、落ちたかもしれない。
私は卒検に合格した。
卒業検定合格後の流れ
合格者は教室に集められ、免許センターでの学科試験の説明などを受けた。
この時初めて校長なる人物が現れて話をしていた。
教習所にも校長っているんだ。そういえば、自動車「学校」だった。
卒業記念として、初心者マークをもらった。
特に卒業式のようなものはない。
私が次に教習所に来るのは、高齢者講習のときだろう。
もうハンドルを取られることもない。
終わりは、驚くほどあっさりしていた。
次は免許センターで学科試験だ。
