第一段階のみきわめと、技能教習【40代後半からの普通免許⑧】
技能教習、難所と言われるS字とクランク
技能教習は、意外と順調に進んだ。第一段階で難しいと言われるS字、クランクは、
初対面の日以外、何度通っても切り返しゼロ。乗り上げゼロ。
自分、実はセンスあるんじゃないか?と思ってしまった。
ゆっくり考える余裕がある操作は、意外とできる。
S字もクランクも、徒歩より遅いスピードでジリジリ進みながら、
「ここくらいまでは行けそう」
「ここからハンドルいっぱい切れば通れそう」
と、“通ることだけに集中”すれば通れた。
横にいる指導員も、ジリジリしていたと思う。
でも、S字とクランクは、どんなに時間をかけても、通れた者勝ちなのである。
これが現実の一般道路だったら、難しいと思う。
公道の初見の狭路では、本当に通れるか分からない。ぶつかったらその時点で事故なので、心理的にもブレーキがかかる。
でもここは教習所のコース内なので
「初心者が通れるように作ってあるんだから、通れないはずがない」
という身も蓋もない事実があるため、
S字もクランクも「えいや!」で通れてしまっていた。
だが、S字もクランクも、残念なことに
現実の運転ではあまり出番がない。
通常運転という地獄
私が苦手なのは、
「車が動いている状況で、いろいろやること」だ。
つまり、通常の運転操作がスムーズにできない。
車が動いているのに、
あっち見て、こっち見て、ウィンカー出して、ハンドル切って……
「ちょっと、一旦ストップ」
と言いたくなる。
脳の処理が追いつかない。
動作は、もっと追いつかない。
一息つける赤信号と一時停止が、心から嬉しい。
ハンドルを握っている間は、常に大忙しだ。
突如始まる”みきわめ”
技能10回目くらいのとき、指導員に言われた。
「この感じだと、〇〇さんは15回目くらいがみきわめになりそうですね」
教習第一段階の最短技能回数は12回。12回目でみきわめだと、補習なし。
つまり、私はこの時点で3回ほど補習になる見込みだ。
「3回……約1万5,000円ですな?」
脳内の財務大臣が即座に反応した。
しかし同時に、
「いや、3回なら覚悟していたより少ない。順調順調」
と、楽観大臣がウンウンと頷く。
うん。15回より増えないように頑張ろう。そう思っていた。
慎重派とイケイケ派
ところが12回目の技能終了後、別の指導員が言った。
「次、みきわめ行きましょう。」
えっ、早い。
もう私の頭の中は「15回目がみきわめ」で固定されていた。
どうやら指導員の中には「慎重派」と「早く路上で揉まれてこい派」がいるらしい。
みきわめに進めてくれた指導員は、完全に後者だった。
「次、時間取れるなら、予約取るのでそのままみきわめ受けてください」
そして私は、
動揺している間に、次のコマでみきわめを受けることになった。
みきわめは、いつものコースを回るだけだった。
私の運転もいつも通り。S字クランクは負けなし、でも運転中は脳内大忙し。
そして指導員が言う。
「では、仮免検定の予約を取りましょうか」
えっ。
